プレゼントをもらったら、その場で開けるべきなのか迷うことが多いでしょう。実は、プレゼントを渡した本人は、その場で開けて、喜んでほしいと願っていることがほとんどなのです。しかし、日本ではその場で開けることがマナー違反だと考えられてきた文化背景があり、開けない人も多いのが実情です。
この記事では、プレゼントをその場で開けることのメリットと、開けない人の気持ちにも目を向けながら、どのように上手なリアクションを見せるべきか、マナー面も含めて解説していきます。すぐに開けてほしい人がするべき対応と、すぐに開けない人への理解の仕方を両面から提案します。プレゼントをめぐるやりとりで、最適な方法を知りたいという方におすすめの記事となっています。
・渡した側が開けてほしい気持ち
・日本の開けない文化の背景
・開けない人の気持ちへの配慮
・上手に開けてもらうためのアプローチ
・受け取る際のリアクションの大切さ
その場で開けてくれるとプレゼントを渡した側は嬉しい
プレゼントを渡す際、受け取った相手がその場で開けてくれると、渡した側はとても嬉しく感じます。なぜなら、プレゼントを選ぶ際には相手のことを考え、喜んでもらえるかどうかを想像しながら選んでいるからです。
その場で開けてもらえれば、相手の喜ぶ顔が見られ、プレゼントが気に入ってもらえたかどうかがすぐに分かるので、相手の反応が楽しみなのです。
ですが、マナーとしてすぐに開ける開けない問題は意見が分かれています。なぜ人によって見解が異なるのかと、相手を気遣った上での対応策についてここでまとめていきます。
プレゼントを渡す際にその場で開けてほしいケース
プレゼントを渡す際にその場で開けてほしいケースとして、結婚記念日や誕生日などの特別な日のプレゼントが挙げられます。これらの場合、渡す側は相手の表情や反応を楽しみにしていることが多く、喜んでくれた瞬間に立ち会いたいという思いが強いです。
例えば、記念日プレゼントの場合、日頃の感謝の気持ちを込めて選ぶことが多いため、その気持ちが相手にちゃんと伝わったかどうかが気になります。笑顔で「うれしい!」と言ってくれたら安心できるし、その反応が見られなければ不安になることでしょう。
また、誕生日プレゼントではサプライズ効果を狙うケースも多く、リアクションを楽しみにしていることがほとんどです。予め注文したケーキを持って登場したり、パーティー会場で渡したりする場合、開ける瞬間の驚きと喜びを見届けたい思いが強いのは当然でしょう。
このように、渡す側にとっては開ける瞬間こそがプレゼントのクライマックス。できれば立ち会いたいという気持ちがあるのです。
プレゼントを開けない日本人流のマナー
日本人がプレゼントをその場で開けない理由の一つとして、以前から「開けるのが失礼」という考え方が根強くあったことが挙げられます。そもそも日本には贈り物自体を開けずに持ち帰る文化があり、お客様から頂いたお土産などは基本的に後で開けるものだったのです。
こうした文化的背景から、贈り主の前で開けることが「意地悪で無神経」とされてきました。贈った側が喜ぶ顔を見たい気持ちよりも、開けることで相手の気を悪くするのが迷惑だという考えが優先されてきたわけです。
また、贈り物をその場で開けずに大切にすることで、相手への感謝や畏敬の念を示そうとする意図もありました。「とっておきのプレゼント」という位置付けで、大切にとっておき、期待感を膨らませるという日本独自の文化といえます。
このように、相手への気遣いや感謝の気持ちから、日本ではその場で開けないという習慣が生まれ育ってきたと考えられます。時代の変化とともに「開ける」ことを肯定的にとらえる風潮もありますが、そうした背景があることに留意する必要がありそうです。
日本人らしい謙虚で奥ゆかしい文化だと捉えることもできますね。
その場で開けない人の気持ちを理解する
日本ではその場で開けないことがマナーとされてきた文化背景があります。したがって、プレゼントを開けない人の気持ちを無理矢理変えようとせずに理解することが大切です。
例えば、年配の人からいただいたプレゼントの場合、その人が昔ながらのマナーを体得している可能性が高く、開けられても戸惑うことがあるでしょう。また、大切な人からもらった大事なプレゼントは、大切に家に持って帰ってから開けたいという気持ちがあるかもしれません。
このようにその場で開けない理由は人それぞれですが、共通しているのは開け方へのこだわりや想いです。渡した側としては開けてほしい気持ちが先行しがちですが、無理強いは失礼にあたるでしょう。
むしろ、相手の気持ちを尊重し、「後でゆっくり見てください」と伝えるなどのフォローも時には大切です。こうした気遣いこそがマナーを守ることにつながると言えるのではないでしょうか。相手への理解と配慮が何よりも重要だという考え方が根底にあるべきです。
すぐ開けてほしい人ができる工夫
開けてほしい側ができる工夫として、まずプレゼントを渡す直前に「もし良ければ今すぐ開けてください」とあらかじめ確認を取ることが大切です。
また、プレゼントに添える手紙に「すぐ開けてくださいね!」「今すぐ開封OKです!」などのメッセージを書くのも効果的です。そうすることで、相手に開けても良いことを伝えるヒントになります。
さらに、食べ物やその場で使えそうなプレゼントの場合は「一緒に食べましょう」「今からお試しください」などとすぐに使えることを促すのもいいでしょう。
プレゼントの性質に応じたこうした働きかけを行うことで、相手は遠慮せずに開けやすくなるはずです。無理強いとならない範囲で工夫を凝らすことがポイントといえます。相手のペースを尊重しつつ、可能な限りその場で開いて欲しいという思いを表明することが望ましいでしょう。
プレゼントを受け取る際の上手なリアクション
プレゼントをもらった時、嬉しい気持ちと感謝はもちろんあるけど素直に表現するのが照れ臭くてどうすればいいか分からない人は多いのではないでしょうか。そんな方はぜひ下記を参考にして、プレゼントを渡してくれた人との時間をより素敵な思い出にしていただければと思います。
まず大前提として、笑顔で「ありがとうございます!」とお礼を言うことが基本中の基本です。しかし感謝の気持ちを表すだけでなく、喜んでいる様子を見せることも欠かせません。
例えば「わあ、これ私のずっと欲しかったものなんです!」「この間こういうのを探していたからびっくりした!」など、言葉だけでなく表情やジェスチャーを使って喜びをアピールしましょう。過剰リアクションにならない範囲で演出することがポイントです。
また食べ物の場合は包装を開けてすぐに食べて、おいしそうに頬張る様子を見せるのも良いでしょう。実際に使っているところを見せることで、贈られた品物が役に立って尚且つ気に入っていることを示すことができますから。
このように感謝の気持ちと喜びの表出を両立するリアクションを見せることが、プレゼントを受け取る上手な方法だと言えます。渡す側も受け取る側もWin-Winの関係を築くことが大切です。
プレゼントをその場で開ける際のマナーと補足
その場で開けるか否か人によって意見が分かれるなか、絶対すぐに開けてはいけないものや対処に困ることについて解説していきます。
その場で開けるのがNGなプレゼント
ご祝儀などの現金が入っているものはその場で開けないのがマナーです。その場で開けてしまうと、はしたなく周りから見られてしまいます。中身を確認するのは家に持ち帰ってからが良いです。
もらったご祝儀が空だった場合…
すぐに開けて確認できない分、めったにないことではありますが中身が空だと後々気付く場合があるようです。そんな時に「中身が入っていなかった」と本人になかなか伝え辛いですよね。関係性を考慮してどうしても言えない場合を除いて、思い切って正直に伝えたてみるのも良いと思われます。悪気なくただ単に入れるのを忘れていたケースがあるからです。ですが故意に空っぽで渡していた事例もあるようで、そんなことをする人がいるというのはとても恐ろしいですね…
来客のお土産はすぐに開けてもいいのか
来客から頂いたお土産を開けてすぐにお茶菓子としてお出しするのは失礼だというのが昔からのマナーではあります。「お客様をもてなす物を用意していなかった」とも捉えられるからです。ですがプレゼントと同様に、すぐ開けてそのままお茶と一緒に出す人は増えています。その方がお土産を用意した方もすぐに相手の反応が見られて嬉しいですよね。
ベストな対応は？
お土産をすぐに開けるかどうかに正解はなく、人によってマナーとしているものに違いがあります。そこで、どのような対応をすれば良いかまとめていきます。
お土産をもらう側
来客からお土産を受け取った際、いただいて嬉しい旨を伝えた上で中身を聞いてみます。（この時真顔で中身を訊ねてしまうと相手が不快になるので表情に注意）「〇〇（お菓子名）ですか！嬉しいです！もしよかったら今からお茶と一緒にお出ししてもいいですか？」などと一言添えるのが無難です。もしそれでお相手が「後でゆっくり食べてほしい」などすぐに出してほしくない旨を伝えてきた場合は、そっとしまっておきましょう。
来客の場合
自分が来客側の場合、お土産を渡す際に「一緒に食べたくて用意したよ」「このお店の〇〇美味しいから一緒に食べよう」と一言添えると、受け取った側は助かります。相手が気を遣う必要がなくなりますね。
上記で出したのはあくまで一例ですので、相手との関係性などを考慮してその場に適した対応を心がけましょう。
プレゼントのマナー補足
プレゼントをすぐ開けることに関するマナー意外にも、プレゼントには複数のマナーが存在しています。ここでは補足情報としていくつかピックアップしてご紹介していきます。頭の隅にでも入れておくと役に立つ日が来るかもしれません。
あげてはいけないプレゼント
目上の人へのプレゼント選びには細心の注意が必要です。例えば靴下、スリッパ、パジャマといった直接足に接する衣料品はNGとされます。これは文字通り足下へ物を置くことになり、目上の人を踏みつけたようなイメージになるため好ましくありません。
また、赤や黄色といった鮮やかな色の物品もお祝いの場を除いては避けたいものです。赤い靴下などを渡すと「火事を招く」などと言われ、縁起の悪い印象を与えてしまいます。
数の面でも注意が必要で、4や9という数字が含まれる品物は忌み数として避けられます。4は「死」に通じ、9は「苦しみ」を連想させるとして敬遠されることが多いのです。セットものなら3つや5つ、偶数は2つや6つなど、吉数の中から選ぶべきでしょう。
このように、プレゼントを選ぶ際には色や数、品目のイメージなど、様々な角度から検討が必要不可欠です。相手が嬉しく思ってくれるだけでなく、迷惑でないかどうかも考慮する必要があるのです。
贈ってはいけない花とその理由
花言葉や色のイメージなど、様々な意味を持つ花々。中でも縁起を招くとされ、贈るのがNGな花がいくつか知られています。
代表的なのがキクです。洋風のファローラルアレンジメントなどで使われることもありますが、本来これは仏前に捧げる仏花。故人や冥福をイメージさせるため、還暦祝いや開店祝いなどの祝い事にはふさわしくありません。
鉢植えは「根付く」という意味から縁起が良いとされている贈り物で、開店祝いや新築祝いに適しています。ですが、お見舞いの際は要注意です。「根付く＝寝つく」と連想され、なかなか回復せず退院できないという意味で避けられます。
そのほか、アジサイは花びらの色が変化し「物事の不安定さ」を連想されてしまいます。
白いカーネーションを母の日に贈ると「故人」を意味するので要注意。
以上のように、花の持つイメージに注意が必要です。相手や場面によっては、花すらもNGな選択となり得るのですから留意したいところです。
花屋のホームページでは、目的毎に選べるので事前にミスを防げます。どんな花が適しているのか参考になるので、お花を贈る際はぜひチェックしてみてください。
花屋HP例：花キューピット
相手への失礼な渡し方に注意
プレゼントひとつを取っても、渡す際のタイミングや方法次第で相手へ失礼に当たることがあります。例えば、人づてに渡すのはあまり好ましくありません。笑顔で直接手渡し、感謝の言葉をかけるのが大切です。
また、自分の活躍ぶりを見てほしい一心で盛大に渡すのもNG。誕生日プレゼントに限らず、大勢の人がいるところで渡すのは控えた方が無難です。相手を窮屈させてしまう可能性があるため、一対一のシチュエーションを選ぶことをおすすめします。
加えて、高級すぎるプレゼントを会社の上司などに渡して驚かせる、といったやり方も要注意です。ひけを取る意図ではなく、むしろ距離を置かれてしまうことがあり得ます。
このように渡す側の気持ちが正しくなくては、表面上はありがたいプレゼントでも失礼に当たることがあります。気持ちのこもった渡し方を意識する必要があるでしょう。
プレゼントをその場で開ける問題総括
・渡す側は開けてほしいケースが多い
・日本では開けない文化があった
・相手の気持ちを理解することも大切
・「開けてよい」と伝えるのがスムーズ
・受け取る側は笑顔で喜びの気持ちを見せる
・来客のお土産は場面で判断
・花の種類によってNGなものがある
・数や色のイメージに注意したい
・渡すタイミングや方法が大切
